ウクライナ侵攻、機関で損害記録 欧州評議会が設立、補償へ第一歩

17日、アイスランドの首都レイキャビクで「損害登録機関」設立の文書に署名する欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(AP=共同)

 【レイキャビク共同】人権保護などを目的とする国際機関、欧州評議会は17日、ウクライナがロシアの侵攻による損害の補償を将来的にロシアに要求することを想定し、損害の証拠などを記録するための「損害登録機関」の設立を発表した。「侵攻の被害者に対する国際的な包括補償メカニズム実現に向けた第一歩だ」としている。

 欧州評議会はフランス・ストラスブールに本部を置き、欧州連合(EU)全加盟国など計46カ国が加盟している。ロシアの侵攻を受け16~17日、アイスランドの首都レイキャビクで18年ぶりに首脳会議を開催。ウクライナ支援が最大の議題で、同機関設立に向け協議が行われていた。

 損害登録機関は当面3年間、オランダ・ハーグに設置され、ロシアの侵攻で生じた損害に関する証拠などを記録する。EUが機関立ち上げの費用を供与した。EU加盟国オランダのルッテ首相は声明で「ロシアは、ウクライナやウクライナ国民が受けた被害を含め(侵攻の)責任を負わなければならない」と訴えた。

 ウクライナのシュミハリ首相は歓迎の意を示した。

© 一般社団法人共同通信社