青森県知事選18日告示 各陣営、準備着々

 任期満了に伴う知事選は18日告示される。5期務めた現職・三村申吾氏の退任を控え、20年ぶりに県政のリーダーが交代する選挙戦となる。青森県で急速に進む人口減少を乗り越えるため、どう働く場をつくり、医療体制を充実させ、子育てを支援するかが最大の争点。いずれも無所属新人で前青森市長の小野寺晃彦氏(47)、前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)、仙台市の元損害保険会社社員・楠田謙信氏(66)、元むつ市議の横垣成年氏(63)=共産、社民推薦=の立候補予定者4人は告示前日の17日、あいさつ回りや事務作業など選挙戦の準備を着々と進めた。投開票は6月4日。

 小野寺氏は弘前方面で活動後、午後7時から青森市浅虫地区で地域住民との対話集会「みらいタウンミーティング」に出席。告示前最後となる対話集会で、約50人を前に質疑を通じて公約を解説した。72項目のほぼ全てに数値目標を掲げたことを強調。三村知事の名前も挙げながら「いろいろな方が次々、政策を見比べて評価してくれている」とも述べた。

 告示後は40市町村ごとに「第一声」を行おうと、序盤のうちに全県を一巡する方針。取材には「政策を訴え、違いを見てもらう選挙戦にしたい」と語った。

 宮下氏は青森市内で企業を訪問したり集会に参加したりしながら、陣営関係者と選挙戦の準備を進めた。午前中に同市長島の事務所で報道陣の取材に応じ、「内容が充実した政策を街頭で発表し、共感の輪を広げることに集中する」と決意を込めた。

 三村知事が小野寺氏支持を表明したものの、宮下氏は「その分、県民から1票を頂けるように活動するだけ」と冷静に受け止め、「私の政策集の内容は極めて具体的。これを実現できれば、青森の未来は開かれると確信している」と自負をのぞかせた。

 楠田氏は、政見放送収録のため青森市内のテレビ局を回った後、同市浪岡の事務所で告示に向けて準備。玄関には16日に届いた選挙ポスター約6300枚が入った袋がずらり。外部に作業依頼できない分は、県内を演説で巡る合間を縫って自ら1枚ずつ張るという。

 日当たりの良い廊下には「くすだ」と自ら大書した紙を乾かしていた。首からぶら下げて街頭を巡り、名前を売り込みたい考え。「人生の最終目標だと思って(知事選に)懸けてきた。沈滞した経済をいかに立て直すかを街宣で主張していく」と意気込んだ。

 横垣氏は、午前中はテレビ局で政見放送の収録に臨み、午後は青森市緑の事務所でスタッフと共にチラシの仕分けなど選挙の準備作業にいそしんだ。

 自殺率や平均寿命、がんによる死亡率などが全国ワーストになっている青森県の現状を「憲法が大切にされてこなかった結果だ。私が知事になれば、4年間で改善し、ワーストからの脱却を図る」と強調。4人の立候補予定者の中で出馬表明が最も遅かったことに触れつつ「他候補との対立軸を明確にすれば挽回できる。県民を大切にすることを訴えていく」と述べた。

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