水産庁、クロマグロ検査体制強化へ 大間産の漁獲無報告事件受け

 大間産クロマグロの漁獲無報告事件を受け、水産庁は17日、単価の高い30キロ以上のクロマグロを主な対象に、国による検査体制強化や港の常時監視などを検討する方針を明らかにした。事件や同庁の調査で浮き彫りになった問題点を踏まえ、再発防止に向けて、個体別の管理がしやすい仕組みや、適法な漁獲かどうか流通段階で確認できる方法の在り方も検討する。

 同庁の担当者が自民党の会合で検討内容の中間報告を行った。

 同庁は3月から、クロマグロの年間水揚げ量が50トンを超える全国の主要港で調査に着手した。4月末までに8港で調査を終えたが、陸揚げ段階の漁獲報告の実態を確認する手段が不十分だったという。

 流通段階では、適法な漁獲なのか確認する方法が取引関係者の口頭に限られ、その裏付けも難しい-などの問題点が明らかになった。

 同庁は計20港程度で調査を進める予定で、対策の詳細は調査状況を見ながら詰めていくとしている。同庁加工流通課の担当者は「国際交渉でクロマグロ増枠を目指す中、日本がきちんと資源管理を行っているかが海外から問われる。水産庁としても対策をしっかり検討することが重要と考えている」と話した。

 大間産クロマグロの漁獲無報告を巡っては、県が6月から、漁獲報告の有無を消費地市場が青森県や漁協に照会できる制度の運用を独自に始める予定だ。

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