【DeNA】伊勢、逆転呼び込んだけん制アウト「流れが持ってこられたかな」 5月17日・広島戦

けん制アウトを奪うなど無失点に抑え、逆転への流れを引き寄せた伊勢=横浜スタジアム

 横浜DeNAは17日の広島戦(横浜)で7―4の逆転勝利を収め、連敗を6で止めた。勝ちパターンながら、ビハインドの八回に4番手で登板した伊勢大夢投手は無失点投球。その裏にチームが逆転に成功し、勝利投手となった。

 落ち着いたマウンドさばきで流れを呼び込んだ。先頭の西川龍馬外野手に安打を許すも、直後にけん制アウトに仕留めた。「一応けん制しておくか、という感じ。作戦面で(盗塁も)考えられる。足の速い西川選手だったから」と振り返り、「カープの中継ぎ陣も(2軍調整中の)栗林さんがいなくて不安はあると思うし、そういうのも加味した」。追加点を是が非でも欲しい相手のチーム事情と場面も頭に入れたけん制だったという。

 西川を刺すと球場は大歓声に包まれ、逆転ムードが高まった。後続を抑えたその裏の攻撃で打線がつながり、ビッグイニングの呼び水となった。「僕がカープの投手としてマウンドに上がるなら、流れを気にしないようにするけど、球場の雰囲気を感じてしまうと思う。流れが持ってこられたかな」。降板後、ベンチ裏で着替えて戻ってくると、牧秀悟内野手の逆転3ラン。「鳥肌が立った。尊敬しますね」と主砲の一撃に感激した。

 連敗中は先発が早い回で降板していた。「1週間全部勝ったときは、ほぼ先発が投げてくれたし、必ずこういう試合が来る。(中継ぎが)カバーしないといけない」と気を引き締め、「野手は打ってくれていたので、みんな感じるものはあったと思う」とも語った。

 劇的勝利にも浮かれず、「明日勝とうが負けようが、次負けたときにどうするかを肝に銘じている」。達観とも取れる発言に、25歳とは思えない風格が醸し出ていた。

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