現金派は東京スター、ポイント好きはSBI新生…生活タイプ別おすすめ銀行

(写真:Luce/PIXTA)

メガバンクの手数料の値上げや、支店の統廃合、ATMの停止が相次いでいる。そこで注目したいのが、商業施設と連携した銀行や、インターネット専業銀行などの“新たな形態の銀行”だという。

「従来どおりに店舗窓口で口座開設したり、郵送による申請や、パソコンやスマホによる操作で口座を開設できる銀行もあります。ネット主体の銀行は、人件費を抑えられることから手数料が安いのが特徴。商業施設と連携している銀行は、買い物するたびにポイントが加算されたりするメリットがあります」

ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんも、次のように語る。そこで氏家さんと、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに、それぞれの生活の形態に応じたおすすめの銀行を教えてもらった。自分にぴたっりの銀行をみつけよう!

■都心住まいでコンビニの利用頻度が高い人

→セブン銀行、ローソン銀行

都心部であれば、メガバンク以上に身近なコンビニの代表格。「セブン銀行の場合、セブン-イレブンの店舗だけでなく、イトーヨーカドーや主要駅などにも設置されているから、都心であればどこにでもあります。セブン銀行、ローソン銀行ともに、7時から19時までなら、自行のATMの出金手数料はかかりません(その他の時間は110円)」(柏木さん)

■郊外住まいで、週2回以上スーパーを利用する/対面サービスも欲しい

→イオン銀行

「イオンや提携店にあるATMで、いつでも手数料無料で出金できます。また、全国展開しているイオンモールなどでは、対面式の銀行窓口があるので、安心感があります。『給与受け取り口座にする』『年金受け取り口座にする』など、取引内容により『イオン銀行Myステージ』のランクを上げることで、他行への振込手数料が無料となる回数(月0回から5回)を増やすこともできます。また、キャッシュカードとクレジットカード、電子マネーWAONが一枚になった『イオンカードセレクト』で、200円をオートチャージ+利用するごとに、合計2WAONポイントがもらえるので、イオンユーザーにはお得です」(氏家さん)

■転勤が多い/地方住まいで、都心の子供へ仕送りをしている

→ゆうちょ銀行、イオン銀行

「全国、くまなく窓口があるゆうちょ銀行は転勤があっても安心です。ただ、ATMから他行への振込手数料は5万円以上で440円。同様に地方にも多いイオン銀行は、ATMから他行振り込みでも132円とお得です」(柏木さん)

■ネットショッピングを多用する

→楽天銀行

「楽天市場利用者は、楽天銀行がおすすめ。『ハッピープログラム』にエントリーすると、残高や取引回数に応じたランクが与えられ、楽天ポイント獲得倍率が最大3倍になったり、ATMや振込手数料の無料使用回数が増えます」(柏木さん)

■ATMで小まめに現金を引き出す/振り込みをする頻度が高い

→東京スター銀行、ソニー銀行、SBJ銀行、SBI新生銀行、住信SBIネット銀行

「女性の場合、1万円ずつくらいを、複数回にわけてお金を引き出す人が多いです。そういう人は、ATMでの出金手数料が無料の銀行を考慮しましょう。たとえば東京スター銀行は、ゆうちょ銀行、セブン銀行など幅広い銀行のATMで出金でき、手数料は月8回まで実質無料です」(柏木さん)

利用時に手数料がかかるが、残高が一定以上あれば、手数料と同額が翌月にキャッシュバックされる仕組みだ。

「しかも給与振り込みや年金振り込みにした場合、普通預金の口座の金利が0.1%になります。ほかの銀行も、回数制限や特定のATM利用などの条件はあるものの、手数料が無料に」(柏木さん)

■貯金が苦手/計画的にお金を貯めたい

→住信SBIネット銀行

「メイン口座とは別に、目的別に10個まで口座を作ることができます。旅行のための目的口座に月1万円ずつ自動積立ができたり、1日に100円ずつ、1週間に1千円ずつ貯めることも。また、その達成度も知らせてくれます。さらに月1千円から純金積立もできたりするので、自動的に貯蓄したい人は検討してみてはいかがでしょうか」(柏木さん)

■海外旅行によく行く

→ソニー銀行

「ソニー銀行の口座から引き落とされるVisaデビット付きキャッシュカード『Sony Bank WALLET』を使えば、国内のATMと同じように、海外のATMでも自分の預金口座から現地通貨が引き出せる(ドル、ユーロなど11通貨に対応)」(氏家さん)

■ポイントを貯めるのが好きだ

→SBI新生銀行

通常の銀行サービスを利用するだけで、Tポイントやdポイント、nanacoポイントが貯まる「ポイントプログラム」が特徴。銀行からのメール受信で3ポイント、アンケート回答で5ポイント、口座振替登録で最大100ポイントが付与される

■住宅ローンの借り換えを考えている

→auじぶん銀行、イオン銀行

住宅ローン金利が安いといわれる両行。auじぶん銀行は、au利用者(2回線以上)で0.07%、電気会社をじぶんでんきにすることで0.03%、合計で0.1%が、通常の金利よりも安くなる。「イオン銀行は、ローン完済するまで、イオンでの買い物がいつでも5%引きに」(氏家さん)

■少しでも高い利息をもらいたい

→あおぞら銀行、楽天銀行

「メガバンクでは、普通預金の金利は0・001%ですが、あおぞら銀行の金利は0.2%。5年の定期預金の場合(50万円以上)は、0・25%とさらに上がります」(柏木さん)

「楽天銀行は、楽天証券の口座をつなげる『マネーブリッジ』を利用することで、銀行の普通預金の金利が、大手銀行の100倍(0.1%)になります」(氏家さん)

■キャッシュカードを持ち運びたくない

→セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行

キャッシュカードの代わりに、スマホのアプリでATMで入金・出金ができる。自行のATMを使えば、手数料もカードを使った場合と変わらない

※5月11日現在。サービスに変更、中止の場合があります。またサービスの利用には条件が設けられている場合があるので、各金融機関に確認してください。

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