日英、防衛協力強化合意へ 中国念頭「広島アコード」

日本へ向かう飛行機内で記者団の取材に応える英国のスナク首相=17日(AP=共同)

 【ロンドン共同】英首相府は17日、スナク首相が18日に広島で岸田文雄首相と会談し、防衛や貿易、科学技術などの分野での協力強化に向けた「広島アコード」に合意すると発表した。2025年に英空母打撃群をインド太平洋地域に再派遣し、今後の日英合同演習で英軍兵士の数を倍増することも表明する。

 スナク氏は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)出席のため18日から訪日。海洋進出を強める中国の脅威が高まる中、英国はインド太平洋への関与を強化しており、安全保障分野で日本との協力を加速させることでさらに存在感を示す狙いがありそうだ。

 スナク氏は、広島アコードについて「両国の軍事協力を強化し、経済を成長させ、科学技術を発展させるものだ」と強調。両政府が「インド太平洋地域の平和と安全、自由で公正な貿易という価値観を守ることを目指し、緊密に連携していく」と述べた。

 英空母打撃群は、英海軍最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核とし、護衛する駆逐艦、潜水艦、補給艦などで構成する戦闘部隊。

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