ダイソン、次世代バッテリー製造拠点をシンガポールに新設。研究開発、製品製造をグローバルで加速

これら3つの大規模な投資は、ダイソンが目指すグローバルな目標規模の表れであり、世界から集まった優秀なエンジニアたちの能力を最大限引き出す場の創設でもあるという。

創業者のジェームズ・ダイソンは次のようにコメントする。

ソフトウェア、コネクティビティ、AI、独自の新技術バッテリーは、ダイソンの次世代テクノロジーの原動力です。先駆的デジタル電気モーターへの長期的な投資と同じく、ダイソンの次世代バッテリー技術はダイソン製品の性能と持続可能性に大きな変革をもたらすはずです

シンガポール

ダイソンが、グローバル本社機能を置くシンガポールは、独自の新技術バッテリーの最初の製造拠点で、2025年までに本格稼働を開始する予定。この拠点では、今後新たに開発されるダイソン製品向けに独自技術を用いた自社開発電池の生産を予定している。

先進的製造拠点に対する投資ではダイソン史上最大規模であり、広さはバスケットボールコート53面分に相当する。新しい最先端の拠点はシンガポールの西部、トゥアスに建設されるという。

ダイソンCEOのローランド・クルーガーは次のようにコメントする。

私たちは科学と先駆的テクノロジーを駆使し、これまでにない画期的なダイソン製品の研究開発に全力を注いでいます。シンガポールにおける先進的製造拠点の拡大により、ダイソンはまったく新しいバッテリー技術を市場に届けることが可能になります。優秀なエンジニアと科学者が集い、また政府がインダストリー4.0に対応した製造業の発展に支援的なシンガポールは、ダイソンをはじめとするハイテク企業にとって理想の地といえるでしょう。

フィリピン

1億6,600万ポンド(約263億円)を投じ、新設するフィリピン テクノロジー センターはバスケットボールコート92面分に相当する広さを有する。ここにダイソンの研究、開発、先進モーター製造拠点が集結するという。 バタンガス州サントトマスの新テクノロジーキャンパスは、フィリピン国内にける最大級の投資規模を誇り、最先端の製造施設となる。 フィリピンの研究開発チームは、ソフトウェア、AI、ロボット工学、流体力学、ハードウェアエレクトロニクスを主な研究開発分野として取り組んでいる。これらの専門分野は、ロボット工学技術から空調技術、Dyson Supersonic™ヘアドライヤーなどのヘアケア製品など、ソフトウェア、センサー、コネクティビティ技術を活用することで、性能や機能が向上できるなど、ダイソン製品にとって重要な研究開発分野である。 2024年上期に稼働開始予定の新キャンパスは空気の質、自然光、緑を大切にしたキャンパスである、互いの協力と新たなインスピレーションの取得を施設の面から支えるとしている。キャンパス内にはラボやオフィスのほか、レジャー・スポーツエリアも設けられている。

英国

ダイソンは1億ポンド(約159億円)の投じ、英ブリストルに大型テクノロジーセンターを新設する予定。この拠点は、今後10年の製品パイプラインの研究開発に取り組む数百名のソフトウェア・AIのエンジニアチームおよび、英国・アイルランド地域を担当するビジネス部門やeコマースチームの拠点となる。

ブリストルの中心地、キャッスルパークの向かいに位置する新しいセンターは、昨年発表した英ウィルトシャー州、ハラビントンキャンパス内ロボティクスセンターの新設に続く、英国内での新たな大型投資となる。かつての英国空軍の格納庫だったハラビントンキャンパスは、現在ウェアラブルやロボティクス製品を中心とする研究開発施設へと変貌を遂げている。

ダイソンのチーフエンジニア、ジェイク・ダイソンはテクノロジーセンターは次のようにコメントする。

私たちにとってセンサーやアプリ、コネクティビティは、製品に機能を追加するためだけのものではありません。ユーザーサポートのあり方を変えることもできれば、耐用年数の間、常に最高性能を保てるよう製品パフォーマンスの改良を自律的に見極めることも可能です。私たちは野心的な目標を掲げています。着実に拡大し成長するグローバルチームに、より多くのソフトウェア、AI、コネクティビティのエンジニアに加わってもらうつもりです。ブリストルに誕生する新しいダイソン テクノロジーセンターは重要な拠点として、ダイソンのつながる未来に大いに貢献することになります。

ブリストル橋近くの建物を持続可能な再開発として改修・建設する新しいテクノロジーセンターは今後、英マルムズベリー、ハラビントン両キャンパス、ロンドンオフィスを含むダイソンの既存国内拠点と連携しながら機能する。英国内には研究開発に従事するエンジニアや科学者を含め3,500名以上の社員が働き、この10年間の研究開発投資は14億ポンド(約2,226億円)となる。

英マルムズベリーキャンパスにはダイソン インスティテュートが併設されており、工学学士の取得を目指す、160名の学生たちが学んでいる。授業料は無償、ダイソンから給与が支給され、初日から現場のプロジェクトに触れることができるという。

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