薩摩藩に密偵の報告書 細川家、熊本大が発見

熊本藩細川家から1651年に薩摩藩に派遣された密偵の報告書18カ条の原本(熊本大提供)

 熊本大は18日、熊本藩細川家から1651年に薩摩藩に派遣された密偵の報告書18カ条の原本を、大学が所蔵する熊本藩筆頭家老松井家の文書の中から発見したと発表した。後に明治維新の主体となる薩摩藩の資料の大半は幕末・明治の混乱期に失われており、薩摩藩の政治基盤の理解につながると説明している。

 報告書には鹿児島城の石垣の構築過程や、一向宗信者の屋久島への流刑が記されており、いずれもこれまで知られていなかった。17世紀中期の税制や金山開発、経済・財政などの記述もあった。

 薩摩藩に対する「軍事的な抑え」の役割を細川家が果たしていたことも報告書から裏付けられたという。

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