是枝監督『怪物』制作秘話 “坂本龍一さんと手紙でやりとり” 映画の中から聞こえてくるような曲になった

フランス時間5月17日(水)第76 回カンヌ国際映画祭・コンペティション部門での公式上映を終えた『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)より、是枝裕和監督をはじめ、脚本家の坂元裕二、主演の安藤サクラ、永山瑛太が、インタビューに答えた。

――映画が終わった後大きな拍手が送られていましたが、皆さんの反応をどう見られましたか?

坂元:カンヌのスタンディングオベーションしか見たことないものですから、どれくらいのレベルかわからず監督を見たら微笑んでいたのでいい反応だと思いました。胸が震えるような思いがしました。

永山:まずは本当に感謝したい。是枝さん、坂本さん、サクラさん、皆さん含め怪物に携われたことが今まで俳優やって来れて良かったなと思いました。

安藤:地響きのような拍手で圧倒されました。監督の姿を目に焼き付けようとずっと監督を見ていました。なにより主役の(黒川)想矢と(柊木)陽太と一緒に感じられたら良かったのにな、と思いながらいました。夜遅い時間での上映だったので、2人が一緒にいられなかったのが、もやもやっとしました。しっかり2人に伝えたいなと思います。

監督:トップバッターだったんで責任重大だなと思いながら現場にいましたが、上映後の観てくれた方達の顔がとても輝いていたので、良かったなって思いました。

――坂本さんが音楽担当されていましたが、やりとりはどうされていたのですか?

監督:映画の中で3回繰り返される夜の湖のシーンについて、ロケハンで諏訪に行った時に、ここに坂本龍一さんのピアノが入ると確信しました。ご体調のことはありましたが、1回自分の好きな坂本さんの曲を仮当てし、それをお手紙と共に送って見てもらいました。お返事が来て、映画全体を引き受ける体力はないのだけど、1~2曲ひらめいたから書いてみます、気に入ったら使ってくださいと返事のお手紙をもらいました。
観た直後に音楽室のシーンがすごく好きだと言ってもらい、あのホルンとトロンボーンの音を邪魔しない音楽を作ろうと思ったという意見をもらいました。映画の中から聞こえてくるような曲になったんじゃないかなと、おこがましいけれど思いました。今日も最後に大好きなAquaが流れて良かったなと思いました。

『怪物』
6月2日(金)TOHO シネマズ 日比谷 他 全国ロードショー

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