豪雨で水没 劣化した写真を供養 真備で洗浄ボランティア団体

写真を供養する住職や「あらいぐま岡山」のメンバー

 2018年7月の西日本豪雨で被災した倉敷市真備町地区で水没した写真の洗浄を続けるボランティア団体「あらいぐま岡山」は18日、劣化が進んで処分せざるを得なくなった写真の「供養会」を同町箭田で開いた。

 メンバーら13人が参加。写真が入った段ボール10箱を祭壇に置き、吉備寺(同所)の杉岡正規住職(59)ら真備町仏教会の住職と副住職計4人が読経する中、参加者は一人ずつ焼香して手を合わせた。写真は焼却する予定。

 自身も被災しメンバーの一員である江口佳名枝さん(53)=倉敷市=は、これまでの活動を振り返り「写真をお返ししたときに、亡くなった家族の姿を見て涙を流す依頼者もいた。無事に供養できてほっとした」と話した。

 あらいぐま岡山は同年9月に活動を開始し、これまでに50万枚以上の写真を洗浄。日常生活や旅行先などで撮った思い出の写真を持ち主に返してきた。供養会は3回目。

 顧問福井圭一さん(52)は「どうしても救えなかった写真にも一人一人の思いが詰まっている。今後も相談に応じていきたい」と話す。

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