「肉厚でジューシー」シイタケ、沢で栽培成功 渡嘉敷村の當山さん「特安で販売」 沖縄

 【渡嘉敷】渡嘉敷村渡嘉敷で農業を営む當山清林さん(85)は、屋外でのシイタケ菌床栽培に成功した。渡嘉敷の田畑地帯・恩良地原(うんらちばる)西端の渡嘉敷川に通じる山裾の沢内に、菌床シイタケを植え付けたおがくずブロック100個を設置したところ、シイタケは約1週間で手のひら大に成長した。4日に初収穫した當山さんは「河川を利用した屋外での自然栽培成功は初めてではないか」と声を弾ませた。

 當山さんは、同地のキクラゲ栽培用の小屋で3年前に村で初めてキクラゲ栽培にも成功した。同様にシイタケの屋内栽培も試みたが失敗。試行錯誤を繰り返し研究した末、キクラゲの栽培小屋に隣接する沢が、直射日光が当たらず、気温25度以上、湿度90%のシイタケ栽培に適した環境だと気づいたという。

 當山さんは沢に高さ1メートルの金属棚を設置し、自然栽培を始めた。毎日点検を欠かさず、1週間で見事に成長した。成熟したシイタケは直径5~10センチで、1個のブロックに20~25個生えている。菌床シイタケは名護市のNA―BA生産組合から取り寄せたという。

 當山さんは「シイタケの成長の速さに驚いた。初めは白く、後に薄茶色になると食べ頃。食べるととても肉厚でジューシー。JA渡嘉敷などで特安の値段で販売する予定だ」と成功を喜んだ。

 (米田英明通信員)

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