輝く緑のしま模様、仙霊茶の摘み取りピーク 神河特産「飲むと鼻から抜ける香り最高」

しま模様を描く茶畑。茶摘みを楽しむ人もたくさん訪れる=神河町吉冨(ドローンで撮影・辰巳直之)

 兵庫県神河町吉冨の仙霊茶園で、特産の「仙霊茶」の摘み取りが最盛期を迎えている。約7ヘクタールの斜面に緑のしま模様が描かれ、柔らかい若葉が山から吹き下ろす風に揺れている。

 仙霊茶は300年以上の歴史があるが、2016年ごろ、高齢化で地域の生産組合の存続が困難になった。脱サラして農業を始めた野村俊介さん(45)が茶畑の景色にほれ込み、18年に法人を立ち上げ、加工までを自社で担うようになった。

 無肥料、無農薬にこだわり、夏場は「雑草との闘い」。山からの清らかな水に加え、土地が岩盤質でミネラルが豊富なため豊かな香りが楽しめるという。

 加工した煎茶やほうじ茶は30グラム800円、80グラム1600円で販売。ほうじ茶のチャイやいちご紅茶などのフレーバーティーもある。

 茶園では茶摘みの体験ができ、11日には播磨の女性経営者らでつくる「ハリウーマン」が訪れた。代表の福岡加奈さん(40)=同県姫路市=は「ペットボトルのお茶からは分からない、茶葉の育ち方や生産者の思いを知った。飲むと鼻から抜ける香りが最高」と話した。

 茶園では4~10月、畑の近くでカフェを営業し、イベントの企画も歓迎している。道の駅銀の馬車道神河(神河町吉冨)やネットで販売するほか、阪急うめだの「阪急プラットファームマーケット」新茶フェアにも並ぶ。仙霊茶園TEL050.3138.4284 (喜田美咲)

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