市川親子、歌舞伎界の中核担う 段四郎さんと猿之助さん

市川段四郎さん

 亡くなった歌舞伎俳優の市川段四郎さんは、1957年に初代市川亀治郎として初舞台を踏んだ後、市川団子を経て69年に四代目段四郎を襲名。スペクタクルに富んだ「スーパー歌舞伎」で一世を風靡した兄・三代目市川猿之助(現市川猿翁)さんを支え、古典作品では「俊寛」の瀬尾などで厚みのある演技を見せて、舞台をもり立てた。

 段四郎さんの長男が市川猿之助さん。83年に二代目亀治郎を名乗って初舞台を踏んで以降、愛らしくあでやかな女形から切れのある立役まで、歌舞伎界の中核を担う俳優として幅広く活躍してきた。

 2012年に伯父の後を継いで四代目猿之助を襲名し、沢瀉屋一門をけん引。人気漫画を歌舞伎化した「スーパー歌舞伎2 ワンピース」の主演・演出を務めたほか、NHK大河ドラマ「風林火山」や「半沢直樹」などのテレビドラマにも多数出演した。市川中車(香川照之)さんはいとこ。

 近年も「新版オグリ」「日蓮」など、舞台上で新たな表現に挑み、4月の「鳳凰祭四月大歌舞伎」の昼の部「新・陰陽師」では、出演のほか脚本・演出も担った。

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