ハンセン病療養所2園の歴史紹介 岡山県立図書館でパネル展

ハンセン病療養所入所者の隔離の歴史を伝えるパネル展

 瀬戸内市の長島にある国立ハンセン病療養所・長島愛生園と邑久光明園の歴史を紹介するパネル展が17日、岡山県立図書館(岡山市北区丸の内)で始まった。国の「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」(6月22日)に合わせた企画で、7月17日まで行う。

 16枚のパネルを並べ、ハンセン病への誤った認識から入所者が隔離収容された両園には、脱走を図った人の監禁室、引き取り手のない遺骨が安置された納骨堂が残されていることなどを紹介。長島と本土を結び、今月9日に35年を迎えた邑久長島大橋の開通当時の写真もある。

 会場には関連書籍約100冊を集め、貸し出しもする。同館司書の村上友佳子さんは「ハンセン病を正しく理解するとともに、入所者の苦しみを知ってもらいたい」と話している。

 名誉回復及び追悼の日は、療養所の入所期間に応じて補償金を支払う「ハンセン病補償法」の施行(2001年6月22日)にちなみ、09年に制定された。

 同図書館は月曜休館。

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