青森県知事選、4新人の争い 17日間の戦いスタート 6月4日投開票

第一声を上げる(左から)宮下氏、横垣氏、小野寺氏、楠田氏

 任期満了に伴う第22回青森県知事選が18日告示され、いずれも無所属新人で、前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)、元むつ市議の横垣成年氏(63)=共産、社民推薦、前青森市長の小野寺晃彦氏(47)、仙台市の元損害保険会社社員・楠田謙信氏(66)の4人が立候補した。5期20年務めた現職の三村申吾氏に代わる、新たな県政のかじ取り役を決める17日間の選挙戦がスタート。4候補はいずれも青森市で第一声を上げ、物価高騰対策、子育て支援策などを訴えた。投開票は6月4日。

 青森県で急速に進む人口減少にどう対応するかが主要な争点。選挙戦は市長経験者の宮下氏と小野寺氏の争いが軸になるとみられる。自民、立憲民主、公明各党は自主投票とし、党内で支持候補が割れる分裂選挙の様相を呈している。

 宮下氏は第一声の演説で「短命県や所得の低さから脱出するために、新しい政策の実行力、国をも変える発信力、時代を先取るスピードが必要。『青森新時代』に向けた政策を全県で訴える」と強調した。

 魅力ある仕事づくりのため創業支援や企業誘致に取り組むほか、青森こども未来県民会議、物価高騰等対策本部を立ち上げ、重要課題に向き合うとした。

 横垣氏は街頭演説で「命と医療、地域経済をしっかり守る」と訴え、農林水産業支援を経済対策の柱とし、中小事業者や商業者への支援を抜本的に強化する考えを示した。

 青森県に関連施設が立地する核燃料サイクルは破綻しているとし、「青森県を核のごみ捨て場にしない条例を必ず作る」と語った。むつ市大湊への大型弾薬庫建設は許さないとした。

 小野寺氏は「しっかり稼げる県」に向け、年間400社以上の創業、農業産出額3500億円台、年間3500万人の観光客受け入れの実現を「県民との約束」として掲げた。

 「私の最大のアピールポイントは実行力。東北ナンバーワンの青森県を実現する。あらゆる世代を置き去りにせず人口減少と戦う」と述べ、青森市政での成果を全県に広げるとした。

 楠田氏は「経済が発展しなければ青森は何もかもうまくいかない。私は現場の経済をよく知っている」とアピール。農林水産業で「30年間働ける経済」を構築すると主張した。

 農業や水産業と観光業を連携させ、リンゴもぎ体験の宿泊ツアーを首都圏で売り出すなどのアイデアを披露。「全精力を注入して、青森を発展させたい」と力を込めた。

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