鎌倉の武家屋敷が研修施設に 築300年超 宿泊も可能

研修施設として生まれ変わった甘糟屋敷=鎌倉市大船

 300年以上前に大船の地に建てられた武家屋敷「甘糟屋敷」が、宿泊が可能な研修施設として生まれ変わった。千坪を超える敷地には四季折々の豊かな自然が広がり、穏やかな時間を過ごすことができる。施設を運営する不動産会社・グッドネイバーズ(鎌倉市)は「都心からも1時間程度で来られる立地。非日常を楽しんでほしい」と話している。

 甘糟屋敷は、大船一の地主で大船村の名士であった甘糟家の邸宅だ。屋敷は1708(宝永5)年に建てられ、今年で築後315年になるとされる。1985年に改修工事を行ったものの、建物内部の梁(はり)は建築当時のものとされ、歴史を感じることができる。同社の小林徹也さんは「築150年ぐらいの建物は聞くが300年以上のものは珍しい」と話す。持ち主の甘粕知一郎さんは東京都内在住で、友人や親戚が集う際に「別荘」として利用してきたという。

 甘粕さんが屋敷の利活用に踏み切ったのは、不動産会社の空き家活用講演会に参加したのがきっかけ。庭や建物の維持管理費を工面しながら、次世代に建物を残していきたいと、貸しに出すことを決めたという。

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