G7サミット前日 広島は厳戒態勢 平和記念公園は封鎖 緊張高まる

原爆ドーム(中央奥)などを含めた平和記念公園につながる道を封鎖する警察官ら

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)開幕を翌日に控えた18日、広島市内は交通量半減の目標期間に入り、各国首脳が訪問予定の平和記念公園(同市中区)も封鎖。全国から派遣された警察官が厳戒態勢を取り、到着した要人の移動時に通行止めを実施するなど、街中は緊張が高まっている。

 市街地では北海道、福島、滋賀県警など全国の警察官やパトカーが巡回して目を光らせる。世界遺産・原爆ドームや原爆資料館がある平和記念公園は午後1時ごろには封鎖され、21日まで立ち入り禁止となった。

 交通量の半減目標は広島県警などがサミット開催前後5日間の22日まで、渋滞回避のため県内の高速道路や市中心部の一般道で設定。市街地では初日の通行量は普段より少なく、要人の車両が通る際は一時的に車、路面電車などの交通規制が行われた。県警は「19日以降もマイカー利用の自粛など、協力をお願いしたい」とする。

 JR広島駅構内も警戒態勢を強化。18日からごみ箱の使用を停止し、JR西日本としては初めて、危険物探知犬の巡回や人工知能(AI)を活用した監視カメラの稼働も始めた。

 仕事の休憩中に原爆ドーム近くを歩いていた団体職員女性(50)=呉市=は「威圧感がすごく、今まで感じたことのない雰囲気。緊張感があり、歓迎ムードがないのが少し寂しい」と話した。

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