日英防衛協力強化で合意 中国に懸念、25年空母派遣

 岸田文雄首相は18日、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)出席のため来日した英国のスナク首相、イタリアのメローニ首相と広島市内で個別に会談した。スナク氏との会談後、防衛や貿易、科学技術分野などでの協力強化に向けた成果文書「広島アコード(合意)」を発表。英政府は2025年に空母打撃群をインド太平洋地域に再派遣すると明らかにした。

 文書では、中国が進出を強める東・南シナ情勢に「深刻な懸念」を共有。台湾海峡の平和と安定の重要性を確認した。ロシアのウクライナ侵攻や核威嚇を非難した。

 安全保障分野では、日英の共同演習を拡充。自衛隊は英軍部隊への「武器等防護」を視野に協力関係を深める。武器等防護は安全保障関連法に基づく行動で、実施すれば米国、オーストラリアに続き3カ国目となる。

 岸田氏はメローニ氏との会談で、ウクライナ支援や対ロシア制裁の継続で一致。北朝鮮の核・ミサイル問題や、中国への対応でも緊密に連携する考えを共有した。

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