【ベトナム】丸紅、ビングループと蓄電池活用事業で覚書[公益]

大手商社丸紅の100%出資子会社である丸紅グリーンパワー・ベトナムは18日、ベトナムの複合企業ビングループ傘下の電気自動車(EV)用バッテリー(蓄電池)製造会社ビンESエネルギーソリューションズ(ビンES)と蓄電池事業の実施に向けた事業化調査を実施する覚書を交わしたと発表した。ビングループ傘下の商業施設やホテルなどで、電気の安定的な調達と有効利用に向けた事業モデルを検討し、ベトナム政府が目指す「カーボンニュートラル(炭素中立)」実現に寄与する蓄電池事業の確立を目指す。

ビンESは北部ハイフォン市の工場で、ビングループ傘下のEVメーカー、ビンファスト向けのリチウムイオン電池などを製造している。北中部ハティン省では新たな電池工場を建設し、蓄電池の用途拡大を模索している。丸紅は、ビングループ傘下の商業施設やホテルなどで、夜間に電気を充電し、昼間に利用することで電気の有効活用やコスト削減につなげられるのではないかとビンESと協議を進め、両社で事業モデルを検討していくことになった。

電力などのエネルギー分野を中核事業の一つに位置付ける丸紅は、世界各国で発電事業や電力小売事業を展開している。ベトナムでも工場や商業施設の屋根に太陽光パネルを設置し、企業の初期投資費用の負担なくクリーンエネルギーを供給する事業を進めている。

蓄電池を活用した事業では日米両国などで複数の先行事例があり、これまでの知見を生かしてビングループの蓄電池を活用した事業化の可能性を検討していく。

ビングループは、傘下企業のビンコムリテールやビンパールを通じて、ベトナム各地で100カ所近くの大型商業施設や複数のリゾートホテルを運営している。

蓄電池を活用した事業化調査の覚書を交わすビンESと丸紅の関係者(丸紅提供)

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