G7首脳、中国に直接懸念を伝達 声明案「威圧で現状変更に反対」

G7広島サミットが開催されるグランドプリンスホテル広島=18日午前、広島市(代表撮影ヘリから)

 日本政府がG7広島サミットの首脳声明で、中国との率直な対話を行い懸念を直接伝達する重要性に言及する方向で調整していることが分かった。台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認し「力や威圧による一方的な現状変更への反対」を強調。ウクライナ侵攻を続けるロシアに関しては、厳しい制裁の維持・強化に加え、第三国を経由する制裁の回避に対抗する意思を示す。G7外交筋が18日、明らかにした。

 サミットは19日に開幕。21日までの首脳間討議と各国高官による意見調整を経て声明を発表する。岸田文雄首相は、インド太平洋で法の支配に基づく秩序維持が重要だと強調。対中国でG7の結束を確認した上で、習近平指導部との対話の重要性を指摘する方向。米中両国の覇権争いが激化し、台湾有事や日本周辺の東シナ海などでの軍事衝突を防止したい考えだ。

 核軍縮に関しては、首脳声明か核軍縮に関する文書に、中国を念頭に兵器用核分裂性物質生産禁止条約の交渉開始の必要性に言及。包括的核実験禁止条約の早期発効の必要性も盛り込む調整を進めている。

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