福井鉄道福武線の運賃2024年3月に引き上げ 電気料金の高騰を受け28年ぶり

福井鉄道福武線の列車=2021年撮影

 福井鉄道は5月18日、電気料金の高騰などを受けた経営改善策として、来年3月に福武線の運賃を引き上げる方針を示した。消費税増税への対応以外での運賃引き上げは、1995年12月以来約28年ぶりとなる。引き上げ額は、福井県や沿線市と今後協議して決定する。

 同社は、近年の電気料金高騰や物価上昇による経費増大で、今後さらに厳しい経営環境が続くと想定。利便性向上を図りながら、安全・安定運行を確保するため、運賃改定による収支改善が必要不可欠と判断した。

 福武線の現行運賃は、たけふ新―田原町駅間が400円。事業者ごとに国の認可を受ける上限運賃の上限に設定されている。6月中に中部運輸局に上限運賃の変更を申請し、12月ごろに認可を受ける見通し。変更後の上限運賃の範囲内で実際の運賃を決め、来年3月に届け出を行う。

 運賃引き上げの検討は、3月策定の福井鉄道交通圏地域公共交通計画に盛り込まれた。村田治夫社長が同日の記者会見でスケジュールを公表し、「地域に不可欠な鉄道サービスの持続可能性を高めるために必要な改定であり、ご理解をお願いしたい」と述べた。

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