納骨堂が経営破綻、代表は失踪! 前代未聞の事態はなぜ起きたのか?

HTB北海道テレビでは、5月21日に、テレメンタリー2023「納骨堂破綻」(午前10:30、北海道ローカル)が放送。テレビ朝日系各局でも随時放送される。経営破綻で突然閉鎖した北海道・札幌にある納骨堂の運営実体を取材。変わりゆく供養の場を取り巻く問題点をあぶり出す。

「納骨堂が経営破綻で、突然閉鎖されることになった」と前代未聞の事態をHTBがスクープしたのは、昨年10月のことだった。舞台は、札幌市東区の屋内型納骨堂「御霊堂元町(みたまどうもとまち)」。2012年に開設し、「安心の永代供養」「地下鉄駅徒歩6分の利便性」などの謳い文句で客を集め、773家族が契約。約1千体の遺骨を収容していた。ところが、運営する宗教法人「白鳳寺」が約3億円の負債を抱え、事実上の経営破綻に陥ったのだ。

利用者にとっては寝耳に水。白鳳寺の太田司代表は、連日殺到する利用者への説明に追われていたが、問題発覚から2週間あまり経った日、音信不通となって失踪した。

取材を進めると、太田代表が高級車や豪邸の居住費、多額の飲食代などに納骨堂の運営資金を費やしていた疑惑が浮上。また、白鳳寺が複数の人物を介して売り渡されていたことも判明。営利を目的とした納骨堂ビジネスのために、名義貸しのような形で宗教法人が売買される実態が浮かび上がったのだ。

差し押さえられた御霊堂元町の土地と建物は競売にかけられ、地元の不動産会社が落札。しかし、札幌市が納骨堂の継承を認めておらず、存続の見通しは立っていない。利用者の中には、今も遺骨を納めたままの人や、引き取った遺骨の行き場が見つからない人も多い。

都市部への人口流出で、地方では先祖代々の墓地の管理が難しくなり、墓じまいが広がっている。こうした納骨堂需要が高まる中、所管する行政側のチェックが追いついていないのが実情だ。前代未聞の事態はなぜ起きてしまったのか。供養の場の課題に迫る。

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