【厚労科研】薬剤師の対人業務評価指標を研究へ/今後の薬局薬剤師政策に影響

【2023.05.19配信】厚生労働省は5月19日、「第135回厚生科学審議会科学技術部会」を開き、令和6年度の厚生労働科学研究(厚労科研)の実施内容について審議した。案の内容について了承され、部会で出た意見による文言等の修正については部会長一任となった。

厚労科研の中の「医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業」については、令和6年度推進研究として、「薬剤師の対人業務の評価指標の開発に関する研究」が挙げられた。

研究の背景として、医療ニーズが増大する中、今後、薬局薬剤師には地域包括ケアシステムを支える重要な医療職種としての活躍が求められることから、薬局薬剤師はさらに対人業務を充実することが求められているとし、そのような状況の中、質の高い対人業務を評価し、薬局薬剤師の業務の質を担保するため、適切な評価指標の設定が必要であると指摘。薬局薬剤師の対人業務の実態や患者に与える影響等を調査するとともに、諸外国における薬局薬剤師の業務プロセスの質の評価等に関する状況を調査する。これを踏まえ、薬局薬剤師の対人業務の質を評価するための指標を開発する。
「成果の活用」として、薬局薬剤師の対人業務の指標を示すことにより、客観的評価に基づき対人業務の質を把握することが可能となり、より質の高い対人業務の推進が可能となるとしている。

厚労科研は研究を通じて厚労省の政策に生かされるため、今後の薬局薬剤師の政策へ影響しそうだ。

そのほか、「医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業」では「非ヒト霊長類の動物実験代替法等の薬事上の取り扱いに関する研究」や「医療用医薬品の販売名・包装等に係る医療安全に関する研究」、「危険ドラッグ等の乱用薬物に関する分析情報の収集及び危害影響予測のための研究」、「新興・再興感染症流行時の血液製剤の安全性確保のための研究」が挙げられた。

部会では、「危険ドラッグ等の乱用薬物に関する分析情報の収集及び危害影響予測のための研究」に関して、危険ドラッグだけでなく市販薬の濫用・不適切な使用についても研究すべきとの要望が出た。

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