D51運転台や内部 ARで再現 「津山まなびの鉄道館」で展示

 デゴイチの愛称で親しまれる「D51形蒸気機関車」をAR(拡張現実)技術で再現した展示が、JR津山駅構内の総合学習施設「津山まなびの鉄道館」(津山市大谷)に登場した。車両内部など、普段は機関車庫に収蔵されていて見ることができないD51の細部の立体映像をスマートフォン画面で楽しめる。

 同館のD51は1936年製で全長約20メートル、幅約3メートル。71年に廃車となり2015年に収蔵された。ARでは、煙突が特徴的な黒い外見に加え、燃料を燃やす火室を備えた運転台を再現。石炭を投げ入れる焚口(たきぐち)戸を開けて、内側の構造を確認することもできる。

 扇形機関車庫は耐震補強がなされておらず来館者は普段立ち入ることができないため、ARを使った見学を企画した。運行当時の資料を調べたり、保存車両を実測したりして3Dモデルを構築した。

 事前にスマホに専用のアプリを入れ、館内にあるARマーカーを読み込むとD51の立体映像が表示される。閲覧は館内限定。同館は「古い車両の構造に触れ、鉄道への理解を深めてほしい」としている。

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