大阪の小4女児不明から20年 亡き捜査員、未解決心残り

吉川友梨さんの写真や事件現場の地図がとじられた加津一真さんの手帳

 大阪府熊取町で当時小学4年の吉川友梨さん(29)が行方不明になり20日で20年。長年捜査を指揮した元府警捜査1課の加津一真さんは、発生からちょうど16年となる2019年5月20日に69歳で亡くなった。退職の際に「解決できなかったことが一番の心残り」と話し、その後も現場に足を運んだ。妻恵子さん(69)は「夫の熱意が実ってほしい」と望んでいる。

 今年5月、恵子さんが府内の自宅で、あどけない笑顔の友梨さんの写真や事件現場の地図がとじられた加津さんの手帳を手に、つぶやいた。「夫は未解決であることを何よりも悔やんでいた。無念だっただろう」

 友梨さんは03年5月20日、下校途中に消息を絶った。府警は何者かが連れ去った未成年者略取・誘拐事件とみて、これまでに延べ約10万6千人の捜査員を投入したが、所持品も見つからず捜査は難航。最重要事件と位置付け、情報提供を呼びかけている。

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