深紅の花、農地再生導く 福島・葛尾村で見頃

福島県葛尾村で見頃を迎えたクリムゾンクローバー=19日午後

 東京電力福島第1原発事故で一時全村避難した福島県葛尾村で、クリムゾンクローバーがイチゴのような形をした深紅の花を咲かせている。除染で表土を剥ぎ取られた農地の地力回復を目的に、住民が栽培してきた。19日は多くの人が写真撮影や散策を楽しんでいた。見頃は今月末ごろまで。

 葛尾むらづくり公社によると、2018年から毎年栽培され、花がしぼんだ後は土にすき込んで肥料にする。20年から取り組む兼業農家松本哲山さん(66)は「震災後に荒れ果てた田んぼを目にした時はがっかりしたが、地力は回復してきている。いつか稲を植えられたら」と話した。

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