波に乗りたい「神奈川ダービー」だ。前節最下位を脱したJ1横浜FCのFW伊藤翔(34)が19日、ホーム川崎戦(20日午後4時・ニッパツ)に向けてオンライン取材に応じた。クラブのJ1通算100ゴールにあと「1」と迫る中、「そんなチャンスはなかなかない。歴史に自分の名前が刻まれるように頑張りたい」と野心をのぞかせた。
エース小川航が累積警告で出場停止となる中、鍵を握りそうなのが経験豊富な万能型FWだ。リーグ戦では今季初スタメンとなった前節柏戦で2勝目に貢献。「どこに守備しにいくか、攻撃でどこにいるべきかが分かりやすくなった」と、勝因の一つに3バックへのシステム変更を挙げる。
守るスペースが限定されることで相手を引き込んでアタックしやすくなり、攻撃面でも2シャドーとなったことで手詰まりになる局面が減少。「勝ち星を重ねることで今後の成長にもつながる」と手応えをつかむ。
高校卒業後にグルノーブル(フランス)でプロデビューし、元フランス代表にちなんで「和製アンリ」の異名を取った。プレーは円熟味を増しており、川崎との戦いもハイレベルな駆け引きを待ち望む。
「支配率で負けていてもなんとか勝ち点だけは持って帰る」と印象を語り、「いかに誘いに乗らず、向こうのリズムでサッカーをやらないか。体も頭も疲れる試合になるんじゃないか」と遅攻、速攻を織り交ぜた戦い方も思慮の内。20年以上遠ざかる川崎戦での白星で、浮上のきっかけをつかみたい。