徳之島で特定外来生物「シロアゴガエル」初確認 東南アジア原産、1年以上前から定着か 強い繁殖力、生態系へ影響恐れ 地元自然保護グループが成体と卵塊を発見

シロアゴガエルの成体(環境省沖縄奄美自然環境事務所提供)

 環境省は19日、鹿児島県徳之島で特定外来生物シロアゴガエルの生息を初めて確認したと発表した。繁殖力が強く生態系に影響を与える恐れがある。同省徳之島管理官事務所は「見かけたり鳴き声を聞いたりしたら連絡して」と呼びかけている。

 自然保護活動に取り組むNPO法人「徳之島虹の会」が8日夜、徳之島町徳和瀬の農道で発見した。同事務所と虹の会が3日間かけて周辺の水場を調査。徳和瀬、諸田、井之川の3地区で、成体約20匹と泡巣(泡状の卵塊)約20個を見つけた。鳴き声でも30匹以上を確認した。1年以上前から定着し、既に相当数が生息しているとみられる。

 シロアゴガエルは、アオガエル科で東南アジア原産。体長5~7センチ。脚が長く、壁や木にも登る。繁殖期は4~10月で、クリーム色の泡巣を水場近くの木の枝などに産む。「ギィッ」「グエッ」といった鳴き声が特徴。

 1964年に沖縄県嘉手納町で国内初の侵入が確認され、沖縄島、宮古島、石垣島に定着した。2013年には与論島で見つかり、生息域は19年までに島全体へ広がった。

 同事務所=0997(85)2919。

シロアゴガエルの泡巣(環境省沖縄奄美自然環境事務所提供)

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