喫茶文化、オグトーで救え 経営苦、名古屋に普及委

小倉トーストとスタンプラリーのカード=10日、名古屋市

 物価高に苦しむ愛知、岐阜の喫茶店を名物の小倉トーストで盛り上げようと、名古屋市で今年「小倉トースト普及委員会」が発足した。「オグトー(0910)」の語呂合わせにちなみ、9月10日を「小倉トーストの日」にすることが目標で、現在は、小倉トーストを提供する喫茶店を巡ると非売品のステッカーがもらえるスタンプラリーを実施している。

 小倉トーストは、焼いた食パンに小倉あんとバターをのせた軽食。100年ほど前、現在の名古屋大の学生がぜんざいにトーストを浸して食べるのを見た名古屋市の喫茶店マスターが考案したといわれている。

 小倉トーストの普及と共に発展した東海地方の喫茶文化だが、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大で、多くの店が売り上げを減らした。行動制限がなくなり客足は戻ったが、今度は空前の物価高が経営を直撃。愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合によると、中でもバターや牛乳といった乳製品の値上がりの影響が大きく、廃業を余儀なくされた店もあるという。

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