スイングに悩むイ・ボミ 悪天候の18ホールを早朝から見守るファンの思い

”スマイルキャンディ”の笑顔も日本では今季限り(撮影/村上航)

◇国内女子◇ブリヂストンレディスオープン 2日目(19日)◇中京GC 石野コース (愛知)◇6573yd(パー71)◇雨(観衆2543人)

今シーズンで日本ツアーを離れるイ・ボミ(韓国)は、思い通りに打てないスイングに頭を抱えている。「重心が整った状態で動き出したいんだけど、なかなかそれが出来ない。体を止めると手が動かない。手を動かそうとすると体が動いちゃう。それが、もうずっと。終わる前には分かるかな…」

今季初の予選通過を目指した3試合目は初日に「80」をたたき、2日目も2バーディ、6ボギーの「75」とスコアを落とした。通算13オーバーはカットラインに遠く及ばない。限られた出場機会で1日でも多く、より大勢のファンにプレーを見せたい気持ちに結果が伴ってこないジレンマ。「正直成績よりも、どうにも出来ない今の状態が一番イヤ」。一時代を築いた賞金女王のプライドもにじむ。

ままならないスイングへの悩みを吐露(撮影/村上航)

苦しみながら必死にプレーする姿を、ファンもしっかり見守っている。2日目はアウトのトップスタートで午前7時にティオフ。強い雨が降って観戦にも“シビア”なコンディションの中、50人近い数がついて歩いた。使用するクラブメーカーの本間ゴルフのロゴが入ったキャップや傘を持ったギャラリーは、4番(パー3)でロングパットを決めてのバーディ奪取に仲間内でハイタッチして盛り上がった。

2日目はアウト1組目のプレーだった(撮影/村上航)

いわゆるファンクラブ(通称「ファンカフェ」)の2代目会長を務めた西野慎二さんは18ホールを見届けた。「我々ファンのためにプレーしてくれているような、そんな気持ちが伝わってくる。大変感謝しているし、うれしい。賞金女王になって、その後はいろいろな季節もあったけど、今こうして女子ツアーの文化を作ったのはボミさん。最後まで応援したい」としみじみ語る。

ファンクラブのメンバーとなる田中信弘さんも「いろいろ思い出しながら、みんなで盛り上げていこうって。成績なんてどうでもいいというか、“行脚”みたいなそんな感じでいる」と話し、和氣(※旧漢字)龍一さん、堀江幹男さんら会員同士でうなずき合った。

一度韓国に戻って次戦に備える(撮影/村上航)

次戦は6月8日開幕の「宮里藍サントリーレディスオープン」(兵庫・六甲国際GC)に出場予定。ファンの思いも感じながら、「好きなコースなので、良いバランスで回れれば。悩まないで回りたいです」と仕切り直しを誓った。(愛知県豊田市/石井操)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン