米大統領、F16供与容認に転換 ウクライナ操縦士の訓練承認

ポーランドで開かれた北大西洋条約機構(NATO)のイベントで飛行するF16戦闘機=3月(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】バイデン米大統領は19日、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国首脳に、ウクライナ軍のパイロットに米国製F16戦闘機の訓練を行うことを承認したと伝達した。米政府高官が日本時間20日、明らかにした。ロシアの侵攻を受けるウクライナはF16の供与を強く求めている。バイデン政権は否定的な考えを示してきたが、欧州の同盟国による供与を容認する方針に転換した。

 ウクライナは、自軍が運用するミグ29など旧ソ連製戦闘機よりもF16が空中で優位だと指摘していた。訓練は欧州で行われる予定で、数週間以内に始まる可能性が高い。完了までに数カ月かかる見通しだという。AP通信によると、バイデン氏は各国首脳に、供与する国や時期、機体の数については訓練を実施している間に決まると説明した。

 F16の供与にはオランダが前向きな意向を示していた。ただ、米国の機密技術が含まれるため、保有する欧州諸国が供与したり、ウクライナ軍のパイロットを訓練したりする場合、米国の承認が必要とされている。

G7サミットの会合に参加するバイデン米大統領=19日、広島市(ロイター=共同)

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