『名探偵コナン 黒鉄の魚影』灰原哀ファンはたまらない…!女性陣の活躍も見どころだった

劇場公開から3日間で217万人の観客動員数を記録し、シリーズ歴代の中でも圧倒的なスタートダッシュが話題の劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』。5月8日には興収が100億円を突破したという発表があり、一部では灰原を“100億円の女”と呼ぶ声も聞かれました。

そう、今作のメイン人物が作品屈指の人気キャラ・灰原哀であること。また敵対する黒の組織との全面対決を描いた話となることで、公開前から多くの注目を集めていましたね。

すでに映画を見た大勢のファンの絶賛に「最近しばらくコナン映画を見てないけど、ちょっと内容が気になるな…」という人もいることでしょう。ディープなファンからライトなファンまで、幅広い層が楽しめる本作の魅力をお伝えします。

※本記事は性質上軽微な映画のネタバレを含みます。

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』ビジュアル

やっぱり一番は灰原哀の活躍!オマージュにも注目

アニメ『名探偵コナン』劇場版シリーズ第26作目となる、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』。本作は東京・八丈島沖に浮かぶ海洋施設「パシフィック・ブイ」を舞台に描かれる、コナンたちと黒の組織との対決が話の主なあらすじです。

舞台となる「パシフィック・ブイ」は国際警察・インターポールとの連携機関。今回ここに勤務するエンジニアが開発した“あるシステム”が、物語の肝となります。世界的に見ても、犯罪抑止の面でも非常に画期的なそのシステム。これを悪用しようと目を付けたのが黒の組織でした。

結果としてそのシステムにより、なんと灰原哀=シェリーの生存が組織に発覚することに。
すでに死んだはずの裏切り者が生きていた。その事実を知ったジンはシステムの入手とあわせて、彼女の抹殺計画を企てます。

はたして灰原、そしてコナンたちは、忍び寄る組織の魔の手を振り払えるのか。逃げ場の少ない海を舞台とする緊迫感に満ちた追走・脱出劇が、今作のメイン要素でもあります。

映画最大の見どころは、やはり灰原哀の活躍です!
小学生にもかかわらず、非常に大人びた冷静な振る舞いの目立つ彼女。その正体はコナンと同じく毒薬「APTX4869」を飲んで身体が縮んだ、元黒の組織所属の科学者・宮野志保(シェリー)であることは多くの人が知っているでしょう。

家族を組織に殺され絶望し、自殺のつもりで毒薬を飲んだシェリー。当時の彼女にとって幼児化し生き延びたことは、一概に幸運とは言えませんでした。
後日組織にも逃亡がばれた彼女は、その影響でコナンを始めとした少年探偵団や周囲の人々を、何度か危険に晒してしまったこともあります。

そんな過去故に、これまで事件に巻き込まれた際も自己犠牲的な言動が多かった彼女。
ですが周囲の助言や励ましを経て考えを改め、自棄にならず生き続ける道を選び、現在はコナンたちと共に組織と対峙する選択を取っています。

灰原がこれまで歩んできた道のりや、大勢に支えられてきた経験。それを経て今作で彼女は、昔の自分と近しい境遇に陥った“ある人物”を救うことになります。
その人物と灰原の関係性もまた、人の縁の不思議さを感じさせる物語の鍵のひとつですね。

凄惨な出来事を乗り越え、仲間たちと共に、確かに前を向いて歩き始めた灰原。
そんな彼女の大きな変化を感じられる点がずばり今作最大の見どころで、同時に灰原ファンにとってはたまらない作品の魅力でもあることでしょう。
随所にある彼女に関する印象的なシーンや台詞のオマージュを思わせる箇所も、見逃せないポイントです。

ベルモットら女性陣の活躍が目立つ本作

主な見どころとなる灰原の活躍と成長の他にも、今作には要チェックな見どころがあちこちに散りばめられています。そのうちのひとつが、ずばり黒の組織の女性陣の活躍。

FBIとして黒の組織へ潜入中のキール(水無怜奈)は、灰原を含めどうにか組織の手による犠牲を減らそうと、水面下での協力やギリギリの立ち回りを何度か見せています。ずばり今作の陰の立役者の一人と言っても過言ではありません。

重ねて、もう一人の組織の主要女性メンバーであるベルモット。秘密主義で冷酷、同時に複雑な思惑を抱える彼女の挙動に注目しているファンもきっと多いはず。

これまでは本来であれば、灰原の巨敵でもあったベルモット。今回の映画で彼女は、一体どのような形で灰原やコナンたちとかかわっていくのか。文字通り物語の“最初から最後”まで、そのストーリーを注視してください。

そしてもう一つ、大勢のファンの話題を呼んだのが、シリーズ屈指の人気を誇る安室&赤井コンビの活躍です。事件解決の中で双方共に大きな信頼を置くコナンを挟み、久々にやりとりを交わした二人。つい興奮が止まらなくなる、人気コンビの胸アツな応酬にも注目です。

マンガ連載30年、アニメもまもなく放送開始から30年を迎える長い歴史の中で、数多くの人気キャラや今後が気になる注目キャラを生み出している『名探偵コナン』。

そんな多くのキャラクターたちの魅力が随所に盛り込まれているからこそ、今作はここまでの大きな話題を呼ぶ注目作となっているのかもしれません。

比較的作品の初期から登場する灰原哀の活躍や、ストーリーの主流である黒の組織との対決エピソードは、久々にコナンの物語に触れる人にとってもちょうど良い温度感となる本作。ぜひ劇場へ足を運び、物語の顛末を見届けてくださいね!

(執筆:曽我美なつめ)

劇場公開情報

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』
2023 年4 月14 日(金)から全国ロードショー

東京・八丈島近海に建設された、世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための海洋施設『パシフィック・ブイ』。本格稼働に向けて、ヨーロッパの警察組織・ユーロポールが管轄するネットワークと接続するため、世界各国のエンジニアが集結。そこでは顔認証システムを応用した、とある『新技術』のテストも進められていた―。
一方、園子の招待で八丈島にホエールウォッチングに来ていたコナン達少年探偵団。するとコナンのもとへ冲矢昴(赤井秀一)から、ユーロポールの職員がドイツでジンに殺害された、という一本の電話が。不穏に思ったコナンは、『パシフィック・ブイ』の警備に向かっていた黒田兵衛ら警視庁関係者が乗る警備艇に忍び込み、施設内に潜入。すると、システム稼働に向け着々と準備が進められている施設内で、ひとりの女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される事件が発生…!さらに彼女が持っていた、ある情報を記すUSB が組織の手に渡ってしまう…。
海中で不気味に唸るスクリュー音。そして八丈島に宿泊していた灰原のもとにも、黒い影が忍び寄り…決して触れてはいけない<玉手箱ブラックボックス>が開かれたとき封じ込めた過去がいま、洋上に浮かび上がる―

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』公式サイト: http://www.conan-movie.jp/index.html

■キャスト
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:小山力也
灰原哀:林原めぐみ
ジン:堀 之紀
ウォッカ:立木文彦
ベルモット:小山茉美
安室透/バーボン:古谷徹
赤井秀一:池田秀一

スペシャルゲスト:沢村一樹

阿笠博士:緒方賢一
吉田歩美:岩居由希子
小嶋元太:高木渉
円谷光彦:大谷育江

■スタッフ
原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
音楽:菅野祐悟
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント
配給:東宝
■主題歌:スピッツ「美しい鰭」Polydor Records

公式サイト:https://www.conan-movie.jp

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