「雨の日がちょっと好きになる?」雨の日に観たい映画3作品

2023年5月18日、気象庁は沖縄・奄美が梅雨入りしたことを発表した。今年は関東甲信・九州北部以外は平年より遅く梅雨入りすることが予想されている。じめじめとした時期がまた今年もやってくるが、雨の日がちょっと好きになるような、雨のシーンが印象的な映画を3つ紹介する。

★『水は海に向かって流れる』(6月9日公開)
通学のため、叔父・茂道(高良健吾)の家に居候することになった高校生の直達(大西利空)。どしゃぶりの雨の中、最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さん(広瀬すず)だった。案内されたシェアハウスには、過去のある出来事から「恋愛はしない」と宣言する榊さんのほかに、脱サラしたマンガ家の茂道、女装の占い師・泉谷、海外を放浪する大学教授・成瀬など、曲者揃い。榊さんに淡い想いを抱き始める直達だったが、彼女との間には思いも寄らない因縁が。榊さんが恋愛を止めてしまった本当の理由とは?

広瀬すずが今年唯一単独主演を務める本作では、榊さんが10歳年下の直達と出会うシーンの大降りの雨が印象的だ。いつも不機嫌な榊さんが持つ鮮やかな傘の色が映え、物語の始まりを感じさせる。劇中で描かれる様々な雨のシーンは、登場人物の心情や2人の心の距離感を表現する大切なモチーフになっている。主題歌は、本作のために書き下ろされたスピッツの新曲「ときめきpart1」。

★『恋は雨上がりのように』(2018)
高校2年生の橘あきら(小松菜奈)は、アキレス腱のケガで陸上の夢を絶たれてしまう。偶然入ったファミレスで放心していたところ、45歳の店長の近藤正己(大泉洋)が優しく声をかけてくれたことで、あきらはファミレスでバイトを始め、近藤にひそかな恋心を抱く。近藤への想いを抑えきれなくなったあきらは、ついに告白。近藤は、そんな真っ直ぐな想いをそのまま受け止めることもできず……。

あきらが雨の中立ち尽くしているところに近藤が傘を差しだすシーンが印象的で、年の差がある恋ではあるが、観た後にはすっきりした気持ちになることだろう。

★『言の葉の庭』(2013)
靴職人を目指す高校生のタカオ(声:入野自由)は、雨の朝は決まって学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。ある日、缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノ(声:花澤香菜)と出会ったタカオは、雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に彼女と心を通わせていく。居場所を見失ってしまったユキノと、彼女がまた歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。六月の空のように物憂げに揺れ動く互いの思いをよそに、梅雨は明けようとしていた。

新海誠監督による本作には、どのシーンを切り取っても雨が登場。弱い雨、強く降りしきる雨など、シーンによって雨の描かれ方も異なる。物語はもちろんのこと、この作品の雨音を聞いて癒されてみるのもいいかもしれない。

(C) 2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C) 田島列島/講談社

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