力による一方的な現状変更に反対 日米豪印・首脳会合、中国念頭

クアッド首脳会合で記念写真に納まる(左から)バイデン米大統領、オーストラリアのアルバニージー首相、岸田首相、インドのモディ首相=20日夜、広島市(ロイター=共同)

 日本、米国、オーストラリア、インドは20日夜、4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合を広島市で開催した。東、南シナ海を含むインド太平洋での力による一方的な現状変更の試みに深刻な懸念を表明し、強く反対することで一致。覇権主義的な動きを強める中国が念頭にある。強靱なインフラ支援の促進も申し合わせた。北朝鮮の核・ミサイル開発を非難し、完全な非核化へ向けた連携を確認。ロシアによる核威嚇や核使用は許されないとの認識を共有した。

 会合後には共同声明を発表。「ウクライナで生じている戦争に対する深い懸念を表明」と表記した一方で、対ロシア制裁は盛り込まなかった。次回の対面会合は24年にインドが主催するとした。

 岸田文雄首相は「国際秩序が脅かされる厳しい情勢の中、一堂に会し、国際社会を分断と対立ではなく協調に導く」と強調。バイデン米大統領は「自由で開かれ、安全で繁栄したインド太平洋地域の構想を推進するためのものだ」と述べた。

 首脳会合にはオーストラリアのアルバニージー首相、インドのモディ首相も出席した。

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