「まともに走れない、終わった」「出ていく方向が逆なので」「今日一番ハッピーなニュース」【SF Mix Voices 第4戦予選】

 全日本スーパーフォーミュラ選手権は5月20日、大分県のオートポリスで2023年第4戦の予選が行われ、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)がポールポジションを奪った。

 予選後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、第4戦の予選日に挑んだドライバーたちの声をお届けする。今回は特別編として、予選後に取材した“監督”の声も合わせてお読みいただきたい。

■関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 予選10番手

 午前のフリー走行は19番手と伸び悩んだ関口。第3戦鈴鹿から変更を施した新たなセッティングを原因と見るが、そこには減衰パーツの不具合が潜んでいたのだという。予選では久々にQ1を突破したものの、セットアップが煮詰め切れていない影響からQ2ではタイムを伸ばせず、10番手に沈んでしまった。

「(朝は)とにかく左リヤのブレーキロックに悩まされて、全然攻められないという感じでした」と関口。

「変えてきたセッティングが原因だと思ってセッションを進めていたのですが、それがおそらく間違いで……予選前にエンジニアが、左リヤのダンパーかバネかが余計に伸びていることに気づいて、ロックしていたのが全部右コーナーで辻褄が合ったので、パーツを新たに交換して予選に臨みました」

 その結果、タイヤがロックする挙動はおさまったが、午前のセッションをセッティングの成熟にあてることは叶わず。予選では思い描くパフォーマンスを発揮することができなかった。

「予選では、午前のフリー走行でロックの原因だと勘違いして変更したセットが裏目に出てしまいました」

「本当は変えたくなかった部分を変更していたので、それがそのまま悪い症状に繋がってしまいました。せっかく久々にQ2へ進めたのに(パフォーマンスが発揮しきれなくて)悔しいです」と、残念な予選日となってしまったようだ。

■【特別編】立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING) 

 坪井翔がポールポジションを獲得。3番手に阪口晴南と、第4戦の予選ではP.MU/CERUMO・INGINGがワン・スリーを獲得。この予選での好成績の要因をP.MU/CERUMO・INGINGの立川祐路監督に尋ねると「監督のおかげかな? 違うか(笑)」と笑顔を見せた。

 ただ、2台とも走り始めから順風満帆だったわけではなかった。フリー走行では低気温・低路温が影響し、2台ともアンダーステアに悩まされた結果、阪口は11番手、坪井は20番手と、「正直、いまひとつな状況」だったと立川監督は振り返る。

 しかし、気温・路温が高まりを見せた予選へ向けたアジャストが狙いどおりだったことで悩みの種であったアンダーステアは改善。Q1・A組では阪口が4番手、Q1・B組では坪井がトップタイムを記録した。

 坪井については予選後のトップ3会見で語られたとおり、予選での赤旗中断に備えて、フリー走行でニュータイヤを我慢し、1セット残しておくという作戦も初のポールポジション獲得に寄与したと言える。

 ただ、立川監督はそれだけではなく、「富士、鈴鹿、そしてオートポリスと、今季はどこのサーキットでも調子がいい」ことが坪井の好調を支えているのだと説明する。

「どこでもいいペースで走れるのは今後チャンピオンシップを考えたときに重要になります。坪井の好調に合わせて晴南の方も鈴鹿くらいからは結構良くなっているので、『本来のポジション』に戻って来れている感じもありますね。チームで2台とも調子がいいのは、明日の決勝に向けても心強いと思います」

2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 小高一斗(KONDO RACING)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2023スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

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