ロシア、バフムト制圧と発表 ウクライナ大統領は否定

G7広島サミットでの記念撮影後、バイデン米大統領(左)と言葉を交わすウクライナのゼレンスキー大統領=21日午前、広島市(AP=共同)

 ロシア国防省は21日未明(日本時間同午前)、侵攻したウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトを完全に制圧したと発表した。一方、広島の先進7カ国首脳会議(G7サミット)に参加したウクライナのゼレンスキー大統領は同日の記者会見で「バフムトは占領されていない」と述べ、ロシアの主張を否定した。

 バフムトはウクライナ軍の補給路が集中する交通の要衝。

 ロシア国防省は通信アプリで、ウクライナ侵攻に加わるロシア民間軍事会社ワグネルの部隊を軍が砲撃や航空戦力で支援し「制圧を完了した」と発表。プーチン大統領も祝意を表した。

 バフムトを巡っては、ワグネルの創設者プリゴジン氏が20日、ワグネルの部隊が単独で制圧に成功したと通信アプリで表明した。

 ウクライナのマリャル国防次官は20日、バフムトの状況は「危機的」だとしながらも、一部で防衛を維持していると表明。ウクライナ軍報道官も同日に制圧情報を否定し、プリゴジン氏は壊滅的打撃を受けた部隊を撤退させたいだけだと主張した。

建物の上でロシア国旗を振るロシア民間軍事会社ワグネルの戦闘員。ウクライナ東部ドネツク州バフムトを「完全制圧」したと20日に動画で宣言したワグネルのプリゴジン氏が発表した(プリゴジン氏提供・ロイター=共同)

© 一般社団法人共同通信社