ローマ教皇フランシスコ「広島がサミット会場になったこと重要」 カトリック広島司教区に書簡届く

ローマ教皇フランシスコ(2019年12月、広島市中区に平和記念公園)

 ローマ教皇庁は20日、カトリック広島司教区(広島市中区)の白浜満司教に宛てた教皇フランシスコの書簡を公開した。先進7カ国首脳会議(G7サミット)を受け、教皇は2019年11月の広島訪問を思い起こしながら「核兵器の脅威が続く中、広島がサミット会場になったことは特に重要」と記している。

 教皇は、自らの広島訪問時に「戦争のために原子力を使用することは、人類とその尊厳、倫理に反する犯罪」とスピーチしたことを回顧。「この信念を繰り返し表明したい」とつづり、核兵器では平和への脅威に対応できず、恐怖が相互信頼と対話を阻むとした。

 書簡は、白浜司教が教皇に宛てて13日に送った平和メッセージへの返信。白浜司教は「被爆者との面会で受け止めた思いを再び発信してくださった。サミット後の私たちの歩みが大切だと思う」と話す。

 教皇からの書簡の英語原文は、白浜司教が運営委員を務める「核なき世界基金」のウェブサイトに掲載している。https://nuclear―free.net/

© 株式会社中国新聞社