新生卯辰1万人沸く 第107回高校相撲金沢大会

大規模改修により一新され、大勢の観衆で沸き返る金沢市の石川県卯辰山相撲場

  ●団体・箕島 個人・五十嵐(高岡向陵)V 

 北國新聞創刊130年記念・第107回高校相撲金沢大会(北國新聞社など主催)は21日、金沢市の石川県卯辰山相撲場で行われた。大改修を終えた「聖地」に全国66校が集い、約1万人(主催者発表)の観衆が熱闘に沸いた。団体は箕島(和歌山)が決勝で五所川原農林(青森)を破って優勝し、津幡南中OBの2年・高島一人(かずと)が先鋒を務めた高岡向陵が3位に入った。2年連続準優勝で臨んだ金沢学院大附はベスト16で敗退した。個人は高岡向陵の五十嵐翔が制した。

  ●高岡向陵が3位

 生まれ変わった相撲場のこけら落としとなる今大会は快晴に恵まれ、県内外の応援団や高校相撲ファンが詰め掛けた。声出しの応援が復活し、日本高校スポーツ界最古の歴史を誇る卯辰の土俵は熱気で包まれた。

 団体は、石川勢11校のうち4校が決勝トーナメントに進んだ。過去2年連続準優勝の金沢学院大附は更級農(長野)を2―1で下して16強入りしたが、3回戦で近大附(大阪)に1―2で惜敗した。

 決勝は箕島が五所川原農林(青森)を3―0で破り、1967(昭和42)年の第51回大会以来、2度目の優勝を成し遂げ、伝統の黒鷲旗を手にした。史上初の4連覇を目指した鳥取城北は準決勝で姿を消した。

 個人決勝トーナメントは、金市工の加藤梨生(りき)が県勢で唯一、3回戦に進んだが、五所川原農林の長内風道(ふうどう)に寄り切られた。決勝は五十嵐が樟南(鹿児島)の福崎真逢輝(まある)を送り出した。

 県卯辰山相撲場は61(昭和36)年の土俵完成から60年が経過し、老朽化が目立っていた。大規模改修ではコンクリート製の観客席をベンチに変更、車いすの専用席を設けるなどし利便性が向上した。

 開会式では、大会長の砂塚隆広北國新聞社社長があいさつ、馳浩知事、村山卓金沢市長が激励し、鳥取城北の松田天主将が選手宣誓した。閉会式では団体入賞校、個人入賞選手に砂塚社長が賞典を手渡した。

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