ブラジル大統領、米国を批判 国連でウクライナ議論訴え

記者会見するブラジルのルラ大統領=22日午前、広島市

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の拡大会合に参加したブラジルのルラ大統領は22日、広島市で記者会見し、ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援する米国のバイデン大統領はロシアへの攻撃をけしかけていると批判した。平和実現のためには「意味がない」と述べ、ウクライナ問題はロシアと敵対するG7の枠組みではなく国連で議論すべきだと訴えた。

 G7広島サミットでは、「グローバルサウス」と呼ばれ、ウクライナ侵攻で中立的な立場を取る国も多い新興・途上国との連携強化が焦点の一つだったが、その一角のブラジルとG7の足並みの乱れが一連の会議終了直後に露呈した。

 ウクライナがロシアに対する大規模な反転攻勢を準備する中、バイデン氏は来日中の21日、欧州の同盟国による米国製F16戦闘機のウクライナ供与を容認する考えをゼレンスキー大統領に直接伝えていた。

 ルラ氏は「和平は頭を冷やして交渉することで達成できる」と主張。ブラジルがウクライナとロシアの停戦へ仲介役を担うことに意欲を見せた。

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