長崎ヴェルカ 連敗で優勝ならず 佐賀に85-89 バスケB2プレーオフ決勝第2戦

【佐賀-長崎】第3クオーター9分、ヴェルカの松本がシュートを放つ=SAGAアリーナ

 バスケットボール男子のBリーグ2部(B2)プレーオフ(PO)最終日は21日、佐賀市のSAGAアリーナなどで2戦先勝方式の決勝と3位決定戦が行われ、決勝第2戦に臨んだ長崎ヴェルカ(西地区2位)は佐賀(西地区1位)に85-89で惜敗した。この結果、佐賀が2連勝で初のB2年間王者となり、ヴェルカは2位でシーズンを終えた。両チームは来季の1部(B1)昇格を決めている。
 B2史上最多となる7532人の観客が詰めかけた佐賀-ヴェルカの第1クオーターは、アギラール、ギブスらで6本の3点シュートを決めたヴェルカが24-22で発進。第2クオーターは佐賀の角田、フィーラーが内外角から次々に加点して、逆に佐賀の2点リードで前半を終えた。
 後半も一進一退の攻防が続く中、佐賀が第4クオーター3分に78-67と11点差をつけた。ヴェルカもここから狩俣の3点シュート、ボンズのゴール下などで一気に差を詰め、残り4分で78-78の同点に追いついたが、その後は佐賀がフリースローなどを確実に決めて、4点差で競り勝った。
 試合後、佐賀の優勝セレモニーが行われ、宮永監督は「素晴らしい長崎さんと、このような死闘を繰り広げて優勝できたのはうれしいが、来シーズンも長崎とやるとなると非常に疲れます。同じ昇格組として次はB1で一緒に九州の旋風を巻き起こしたい」とあいさつした。
 3位決定戦は西宮(東地区3位)がA千葉(東地区1位)に91-76で連勝。西宮の3位、A千葉の4位が決まった。

◎すべてを出し尽くした激闘
 追い続けたライバルの背中を最後まで捉えられなかった。延長にもつれた第1戦に続き、大接戦の末に敗れて年間王座を逃した長崎ヴェルカ。レギュラーシーズンでも西地区首位を争ってきた佐賀に、通算2勝6敗と負け越して今季を終えた。
 昨年10月からのシーズンのフィナーレを飾るにふさわしい激闘だった。ヴェルカはこの日も最大15点のビハインドを追いつき、第4クオーター残り22秒で85-86。ここで選択したファウルゲームからフリースロー2本を決められ、3点差に開いた残り16秒。これまで何度もチームを救ってきた狩俣にボールを託したが、同点を狙った3点シュートは無情にもリングに嫌われた。
 紙一重で敗れはしたものの、激しく、素早く、全員がどんな状況でも走り抜いた。「ミスターヴェルカ」とも称されている松本は、ルーズボールに追いつけなかった場面でコートをたたいて悔しがった。選手も、ベンチも、一人一人が死力を尽くした。頂点には一歩、届かなかったが、目標の「最短でのB1昇格」を達成したチームのハードなプレースタイルは、多くのファンを驚かせ、心を揺さぶった。試合後の拍手はしばらく鳴りやまなかった。
 「ステップアップ」。選手たちがことあるごとに口にする言葉だ。チームが、ファンを含めた長崎が成長を続けた今シーズンを糧に、次は最高峰の舞台でさらに大きな花を咲かせにいく。主将の髙比良が言った。「目標のB1にやっと立てただけ。必ずはい上がって、自分自身や長崎はこういうチームだということを証明したい」

【佐賀-長崎】第4クオーター9分、シュートを狙うヴェルカのボンズ=SAGAアリーナ

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