茨城・ひたちなかの八朔まつり 伝統の屋台100周年 「四町目」の誇り 継承へ節目祝う

完成から100周年を迎えた四町目の屋台=ひたちなか市湊本町

茨城県ひたちなか市那珂湊地区で2年に1度夏に行われる「みなと八朔(はっさく)まつり」で、地区内を練り歩く各町内の屋台で最も古い「四町目」屋台が今年、完成100周年を迎えた。同市湊本町のホテル駐車場で21日、記念式典が行われ、地元住民ら約150人が参加して節目を祝った。

同まつりは那珂湊天満宮の祭事で、現在の形になってから300年以上続いている。みこしが海に入る「浜降り」神事などで知られる。11町内に11台ある屋台は、どれも豪華絢爛(けんらん)で、地元住民や来場者を魅了してきた。

四町目屋台は1923(大正12)年に完成し、縦5メートル、横3.5メートル、高さ5メートル。昇り竜やコイの滝登り、ツル、カメなど縁起物の彫刻があしらわれているのが特徴で、壊れや傷んだ箇所を修繕しながら使い続けてきた。

式典にはほかの町内の住民らも参加。四町目氏子会の樫村健一総代(75)は「歴史と伝統ある屋台は私たちの誇り。今後も大切に使い、先輩たちが守ってきた屋台をしっかり後世に引き継ぎたい」とあいさつした。

式典に先立ち、屋台を運行して那珂湊おさかな市場など同地区中心街を約500メートル練り歩き、100周年を祝うお披露目もした。

同まつりは8月26、27の両日に開かれる予定。新型コロナウイルスの影響で2021年は中止したため実施は19年以来4年ぶりで、四町目屋台も登場する。

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