規格外スポンジ使ってね SDGsで海南市の製造会社が白浜町に寄贈

井澗誠町長(右)にキッチンスポンジを渡す筈谷蔵太代表取締役=和歌山県白浜町で

 家庭用品を製造販売している会社アイセン(和歌山県海南市小野田)がこのほど、製造過程で出た規格外で販売できないキッチンスポンジ約千個を白浜町に寄贈した。町は学校、福祉施設、公民館などで活用する。

 同社によると、スポンジを製造する際、作業員が目視で規格通りに完成しているかチェックしている。一部がゆがんでいるなど、商品にならないものが1割ほど出るという。これまではほとんどを廃棄していたが、昨年からSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを強化し、イベントで配布するなど有効活用法を模索している。自治体に寄贈するのは今回初めて。

 スポンジの材質は、ウレタンとナイロン不織布で、国内ではまだリサイクルシステムが確立できていないという。

 この日、同社の筈谷蔵太・代表取締役と中西茂樹・事業戦略室長が町役場を訪れ、井澗誠町長にスポンジを手渡した。

 筈谷代表取締役は「ごみとして出していたスポンジを生かして地域に貢献できないかと考えている。(今回の寄贈は)微力だが、白浜町に貢献することができればうれしい」と言い、井澗町長は「大変心強い。町としてもSDGsを積極的に取り入れていきたい」と感謝した。

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