古川飛行士のISS滞在決定 実験不正受け「初心に返る」

記者会見するJAXAの古川聡飛行士=22日午後、東京都内

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡飛行士(59)らが22日、東京都内で記者会見し、国際宇宙ステーション(ISS)滞在が正式に決まったと明らかにした。米スペースXの宇宙船クルードラゴン7号機で8月中旬以降に出発するという。

 JAXAは2020年に、古川氏の23年ごろのISS滞在を発表していたが、古川氏が責任者を務めた医学実験での不正発覚を受け、改めて滞在にふさわしいか確認を進めていた。古川氏は会見で「身が引き締まる思いだ。初心に返って仕事をしたい」と述べた。

 古川氏は、不正の背景に同僚らとのコミュニケーション不足があったと説明。「教訓を生かし、仲間とのチームワークで自分の責務を着実に果たしたい」と語った。

 ISSでは、月の有人探査に向け、宇宙基地で二酸化炭素(CO2)を除去する装置の実証実験や、宇宙滞在前後での体の変化を調べる研究に取り組むとした。手元を写すカメラを装着し、地上の専門家とやりとりしながら実験を進めるという。

 古川氏のISS滞在は11年以来2度目。

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