広島カープ 勝率5割で2週間ぶり本拠地へ 首位・阪神との3連戦を振り返る

広島カープは、広島サミット開催に伴い、5月9日から岐阜・名古屋・東京・横浜と長期遠征となり、先週金曜日からは最後のカード、甲子園で首位・阪神との3連戦でした。

5月19日(金)

まずは、派手な打撃戦となった金曜日の初戦。去年のセ・リーグ投手三冠、阪神の先発・青柳に対し、カープはここまで全試合4番でスタメン出場していた マクブルーム をはずすなど、1番から9番までスタメンに全員、左打者を並べます。1回、その左打線がさっそく機能します。

育成から支配下契約を勝ち取り、この日、1軍登録されたばかりの先頭打者・中村貴浩。プロ初打席で初球を振って、この当たり。惜しくもノイジーの好プレーに阻まれますが、積極的な打撃でチームを鼓舞します。

その後、1アウト2塁・1塁となって打席は、マクブルームに代わり、4番に座った 松山竜平 。鋭くはじき返してセンターへ運び、1点を先制します。

なおもチャンスで5番・坂倉将吾、さらに2年ぶりの1軍出場の6番・林晃汰、続いて、この日は 菊池涼介 に代わってセカンドで出場、8番・韮澤雄也 。韮澤のプロ入り初のタイムリーヒットを含む、4本のタイムリーで幸先よく5点を先制します。

一方、カープの先発は 大瀬良大地 の登板回避を受け、4月23日以来の1軍マウンドとなった 玉村昇悟 。2回には1アウト満塁のピンチを背負いますが、冷静に阪神の下位打線を抑え、切り抜けます。

その後、阪神に2点を返され、3点差で迎えた5回。2アウト満塁のチャンスを迎えると、打席は9番の玉村。自らを助ける2点タイムリーヒット。再び点差を5点に広げます。

その後、同点に追いつかれますが、6回表、ノーアウト2塁・1塁の場面で頼れるベテラン・松山竜平。「追いつかれた後だったので、点につながってよかった」と勝ち越しに成功します。

勝ち越し直後、1点差で大事なマウンドに上がったのは 中崎翔太 。見事なピッチングで三者凡退に打ち取り、阪神打線の勢いを止めます。

追加点の欲しいカープは、8回、先頭打者の松山がフォアボールで出塁すると、代走に送られたのは切り札の 羽月隆太郎。起用に応え、盗塁を決めると、相手のエラーもあって一気に3塁まで進みます。

その後、1アウト3塁から、内野ゴロで好スタートを切った羽月。この回、ノーヒットで貴重な追加点のホームを踏みます。

さらに9回には 堂林翔太 。堂林らしい当たりでセンターに放り込んで、阪神を突き放し、初戦をものにしたカープ。今回の長期遠征の勝ち越しを決めました。

広島カープ 松山竜平 選手
「とにかく4番というより、4番目(の打者)としてチームの力になれるように、先の塁に進められるようにとやっていこうと思っていた。大きい仕事ができたと思う」

5月20日(土)

続く土曜日の第2戦。復帰後、初勝利を狙うカープの先発・森下暢仁 は、要所を抑える好投を見せます。3回、2アウトランナー2塁のピンチを迎えますが、渾身のボールで空振り三振! 先制を許しません。

5回にも送りバントで得点圏にランナーを背負いますが、ストレートで押していた中、ここぞとばかりのカーブで空振り三振。阪神打線を寄せ付けません。その後も圧巻のピッチングを見せた森下、打線の援護を待ちます。

森下の好投に応えたいカープ打線は、8回、ランナーを1塁に置き、打席には 秋山翔吾 。強烈な打球でしたが、不運にもダブルプレー…。打線がつながりません。

そして、両チーム無得点のまま迎えた9回。この回もマウンドに上がった森下は、2アウト2塁・1塁のピンチを迎えます。

ここで阪神・森下翔太との勝負は、初球を打たれ、無念のサヨナラ負け。森下の復帰後、初勝利はまたもお預けとなりました。

5月21日(日)

続く3戦目、勝って長期遠征を締めくくりたいカープの先発は、アンダーソン。1回、2アウト3塁といきなり得点圏にランナーを背負いますが、4番・大山を三振に打ち取り、無失点で滑り出します。

先制点がほしいカープは、3回。この日、ショートでスタメン出場した 矢野雅哉 。プロ入り初のツーベースでチャンスメイク。

しかし、続くアンダーソンが、3バントを失敗。後続も倒れ、得点をあげることができません。

するとその裏、エラーで出塁したランナーを阪神の先発・才木がきっちりバントで送ると、2アウトから中野にタイムリーヒットを許し、1点を先制されます。その後、さらに追加点を許したアンダーソンに5回、アクシデントが起こります。

イニングの途中で脚をつり、一度治療しますが、結局、5回途中、2失点で降板となりました。

なんとか反撃したいカープは、7回、相手のミスを突いて2アウト2塁のチャンス。ここで打席には、林晃汰 。打ちあぐねていた阪神・才木のフォークを弾き返し、タイムリーヒット。ようやく1点を返します。

1点差で追撃ムードの7回裏、大事な場面でマウンドに上がったのは、今シーズン、1軍初登板の 森浦大輔 。ランナーを出すものの、菊池の好プレーにも助けられ、無失点で味方の反撃を待ちます。

すると直後の8回、先頭の代打・上本崇司 。ヒットで出塁し、さっそくチャンスを作ります。

しかし、続く打席でバントの名手・菊池が、2球続けてバント失敗。結局、三振に倒れ、得点圏に上本を進めることができません。

その後、阪神に逃げきられたカープ。しかし、遠征前にあった2つの借金を返し、勝率5割で地元マツダスタジアムに戻ることになりました。

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