
日中両政府が6月2~4日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議に合わせ、浜田靖一防衛相と中国の李尚福国務委員兼国防相の会談を調整していることが分かった。安保分野で意思疎通を強化する狙い。関係筋が22日、明らかにした。日本政府は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で中国への関与の重要性を確認したことを踏まえ、ハイレベルの対話を促進する考えだ。
岸田文雄首相は22日、対中関係に関し「建設的、安定的な関係を双方の努力で築いていかなければならない。そうした観点から首脳会談についても考えたい」と記者団に述べ、習近平国家主席との会談に意欲を示した。
日中防衛相の会談は昨年6月以来。中国の海洋進出が主なテーマとなりそうだ。浜田氏は、日本周辺で活発化している中国とロシアの軍事連携や、沖縄県・尖閣諸島周辺で相次ぐ中国海警局船の領海侵入に懸念を伝達。台湾海峡の平和と安定の重要性も指摘する。
今月始動した日中防衛当局幹部間を直結するホットライン(専用回線)の適切な運用を確認する。