高裁、英御用弁士起用の訴訟を棄却

壱伝媒集団(ネクストメディア)の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏が昨年、英国御用弁護士のティム・オーウェン氏を弁護人に起用することが認められたことを受け、国家安全委員会はオーウェン氏が黎氏の弁護をすることは国家の安全リスクとなる可能性が大きいとみて入境処にオーウェン氏の就業ビザ申請を拒絶するよう提案した。5月20日付香港各紙によると、黎氏は全国人民代表大会(全人代)常務委員会の法解釈はオーウェン氏起用の決定に影響しないとの法廷声明を出すことを要求する訴訟と、国家安全委員会と入境処の決定は越権行為の疑いがあるとの訴訟を申請した。この訴訟申請に対して高等法院(高等裁判所)の首席判事は19日、判決文を発表。香港の裁判所は国家安全委員会の仕事に対して司法管轄権を持っておらず、また国家安全委員会の決定は訴訟を受け付けないと指摘し、2件の訴訟申請を棄却した。黎氏側は判決を精査し上訴するかどうかを検討すると表明した。

© HKP