「原爆の子」が残した折り鶴 G7首脳に複製品贈呈

G7広島サミットで各国首脳に贈呈された、佐々木禎子さんが残した折り鶴の複製品(キャステム提供)

 広島・平和記念公園に立つ「原爆の子の像」のモデルで、被爆後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの残した折り鶴の複製品が、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国首脳らにプレゼントされた。禎子さんの遺族は、平和や核兵器廃絶の象徴である折り鶴を通して「平和への思いを世界に届けたい」と願っている。

 松野博一官房長官らによると、首脳らが19日に広島平和記念資料館を視察した際、禎子さんが平和への祈りを込めて作った折り鶴や禎子さんの写真などの展示を見学した。何点かの展示品は岸田文雄首相が自ら説明したという。

 禎子さんは2歳のときに爆心地から約1.6キロの広島市内の自宅で被爆し、小学校6年生で白血病を患った。闘病中に苦痛に耐えながら薬の包装紙などで鶴を折ったが、被爆から約10年後、「ありがとう」と家族に言い残してこの世を去った。

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