ニセ電話被害4億6000万円 22年茨城県内 目立つ「接触型」手口

茨城県警本部=水戸市笠原町

茨城県警は22日、2022年のニセ電話詐欺の発生状況を発表した。認知件数や被害額は前年比でほぼ横ばいとなったが、被害額は4億6000万円超に上っており、依然として高い水準で推移。中でも、オレオレ詐欺など「接触型」の手口で被害が目立っており、県警は固定電話を留守番設定にするなど注意や対策を呼びかけている。

県警ニセ電話詐欺対策室によると、昨年のニセ電話詐欺の認知件数は同5件減の254件、被害額は同1072万円減の4億6613万円だった。

中でも、親族を装って金をだまし取るオレオレ詐欺は同22件増の70件で、被害額も2億2千万円を超えた。また、キャッシュカードをだまし取る手口も同13件増となる60件。こうした手口は、被害者と直接面会して現金を受け取ったり、キャッシュカードをだまし取ったりすることから「接触型」と呼ばれており、認知件数全体の半数を占めている。医療費などの返還を装う還付金詐欺の認知件数は同23件減の41件だった。

また、65歳以上の高齢者が被害に遭った認知件数は197件と全体の約78%を占める。

一方、昨年の摘発件数は68件と同30件減。同室は、摘発件数の減少について「匿名性の高い通信アプリが利用され、余罪の特定が困難になったことが考えられる」としている。

県警は、被害防止のため動画やポスターなどで引き続き注意を呼びかけ、特に固定電話の留守電設定など防犯指導に力を入れる。

同室は「容疑者は自分の声を録音されることを嫌う」として留守番設定を推奨。また、オレオレ詐欺では、被害者が第三者に相談するのを防ごうと、現金の受け取りを当日中に行うケースが多いため、「自宅に多額の現金を置かないことも重要」と強調する。

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