摘果スイカから化粧品原料 三重大、萩原農場など商品化へ

摘果される小さいスイカ(萩原農場提供)

皮膚の老化防止、炎症抑制に効果のある成分 三重大学や岐阜大学、スイカの種苗メーカーの萩原農場(奈良県田原本町)の研究チームが、摘果されたスイカの小さい果実から、皮膚の老化防止や炎症抑制に効果のある成分を発見した。未登熟の果実ほど多く含んでいる。同社が化粧品原料「スイカ幼果実エキス」として商品化し、化粧品メーカーなどに売り込む方針だ。

発見した新成分は2種類あり、「シトルルシドH」「シトルルシドT」と命名した。抗酸化作用があり、皮膚に紫外線が当たるとできる活性酸素を打ち消し、老化を防ぐ。しわの改善効果もあり、目尻に2成分を含むエキスを8週間塗ったところ、しわの進行が抑えられ、深さも浅くなっていた。アクネ菌による皮膚の炎症も軽減できた。

2成分は未登熟の果実ほど多く含まれる。果実が成長して種ができる時に、その材料として使われるためだと考えられるという。研究チームは、摘果され、通常は廃棄される果実の有効活用になるとみる。

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