フェラーリF1がハミルトンに約69億円のオファーを検討との報道。メルセデス代表は「うわさは真実ではない」

 イギリスのタブロイド紙『デイリー・メール』が、7度のF1チャンピオンであるルイス・ハミルトンに対し、フェラーリが4000万ポンド(約69億円)のオファーを行う意向であると伝えた。ハミルトンとメルセデスとの現契約は2023年末で切れるため、両者は現在交渉を進めている。

『デイリー・メール』によると、ハミルトン獲得についての話がフェラーリ社の上層部のなかで進んでおり、会長ジョン・エルカーンはすでにハミルトンに連絡を取っているという。フェラーリはふたつのシナリオを考えており、ひとつは2024年にシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンを組ませ、カルロス・サインツを他チームに移籍させるというもの。もうひとつはルクレールをメルセデスに移籍させることでハミルトンを獲得し、サインツを残すというものだと、『デイリー・メール』は報じている。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 メルセデスは現在38歳のハミルトンの残留を望んでおり、現在支払っているサラリーとほぼ同額の4000万ポンド(約69億円)、あるいはそれ以上の額で契約を更新する用意があり、フェラーリも同様の額を提示する考えだと、今回の報道で伝えられた。

 新世代F1マシンが導入された2022年、フェラーリは、好調なスタートを切った後で、徐々にレッドブルとの差が拡大していき、ランキング2位。2023年に巻き返しを図りたいところだったが、トラブルもあり、現在メルセデスより下のコンストラクターズ選手権4位に沈んでいる。

 一方、メルセデスも2022年に苦戦し、昨年、ハミルトンは、F1キャリアのなかで初めて、勝利のないシーズンを過ごさなければならなかった。好転が期待された今年も、マシンのパフォーマンスは振るわず、チームは方向転換を決め、大きく変更したマシンをモナコGPに持ち込む予定だ。

 ハミルトンは、苦境のなかにあっても、メルセデスが自分のホームであると繰り返し述べており、最近では、F1ドライバーとしてのキャリアを終えた後も、メルセデスとの関係を継続させたいと語った。

2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、オーストリアの『oe24』とのインタビューのなかで、「フェラーリへの移籍の話や、今のマシンで勝てない場合、キャリアを終えるのではないかというものまで、さまざまなうわさが出ているが、ハミルトンはどうするだろうか」と聞かれ、次のように答えた。

「そういったうわさは、我々が新しい契約を結ぼうとしているタイミングで、2年ごとにかならず浮上する。しかしどれひとつとして真実ではない」

「我々は通常の形で交渉しており、時間的な制約はない」

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